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ミライの体育館®

ミライの体育館®

 

『ミライの体育館®』は、2014年から筑波大学と慶応義塾大学で進められた共同プロジェクトです。筑波大学附属大塚特別支援学校の体育館天井に子ども達の活動の様子を計測するカメラと、活動に合わせて床や道具などに投影するプロジェクターを設置しました。本プロジェクトではプロジェクション・マッピングの技術を活用して、子ども達の行動を支援し活動することの楽しさを共有し、社会性の涵養を目指すものです。2023年現在は筑波大学が研究を継続し附属大塚特別支援学校は実証の場として取組を継続しています。

 2014年~2015年は、主にシステムの構築や教育支援のツールとしての活用のあり方ついて議論を重ねてきました。プロジェクターの取り付けが完了し、実際にプロジェクション・マッピングを投影したのが、20151121日の大塚祭です。高等部生徒の花笠音頭の演目で、体育館客席内の通路を舞台に見立て、花道や花吹雪を投影する演出をしました。2016年からは、筑波大学が制作したコンテンツを基に実証実験を繰り返しました。2017年からは、学校の教員が機器を操作できるようシステム環境が整えられ、体育・美術・交流学習などで教員がシステムを操作しながら学習活動を展開できるようになりました。

 写真1は、小学部の体育の様子で、ランニングコースにカラーコーンを置く手がかりとしてコーンと同じ色のついた枠を示しています。ほんの少しの手がかりで児童の担える役割がぐんと広がった取組です。写真2は、ダンスを踊る際に、情景や音楽のストーリーに合わせた表示を加え、且つ移動のガイドとなるポイントや回転の方向を示した活動の様子です。ダイナミックな表現活動をするための演出兼行動の支援として本システムの機能を活用しました。写真3と4は、中学部や高等部の美術の学習の様子です。色相環を投影し、色相環に合わせてペットボトルに入れた色水を並べて、様々な配色について学びました。活動中に投影された友達の顔写真を見ながら、どの色が似合うのかを選んでいく場面では、床の大きさを活かして皆でその場に立ち、同じツールを共有して共感したり意見交換したりしながら学習を進めました。

*『ミライの体育館®』は、JST 戦略的創造研究推進事業(CREST)「ソーシャルイメージング:創造的活動促進と社会性形成支援」のプロジェクト(代表者:筑波大学システム情報系の鈴木健嗣教授)です。 

参考情報はこちら

○筑波大学人工知能研究室
https://www.ai.iit.tsukuba.ac.jp/research/074-j.html

○ソーシャル・イメージング

http://social-imaging.org/crest/about/futuregym/

○ミライの体育館の絵本

http://social-imaging.org/crest/about/futuregym-book/

◯「ミライの体育館®」にてミシガン大のAR技術を用いた新しいインクルーシブ活動を実施

https://www.tsukuba.ac.jp/news/20231208140000.html